「尿検査」について詳しく見てみましょう!
尿管結石を疑う患者さんに実施する検査は、結石があるか、どの辺りにあるかをレントゲン撮影・CT検査・超音波検査で調べ、腎臓の機能が低下していないかを尿検査や血液検査で調べます。
血液は酸素や栄養素を各臓器へ運び、臓器から老廃物を受け取ります。血液の中を流れている老廃物は腎臓に運ばれてろ過され、必要なものと不必要なものに分別されます。不要となった物質は余分な水分とともに膀胱に送られ、ある程度溜まったら体外へ排出されます。それが「尿」です。尿の成分を調べることで体のどこかで異常をきたしているかどうか推測することが可能です。いつもと異なる成分が尿中に出現したり、不要なものが尿中に排泄されなくなったりします。
検査で分かること
尿検査は患者さん自身で採取していただくため、痛みなくできる検査です。提出された尿に試験紙をつけて色の変化で成分を調べる「試験紙法」を行います。尿試験紙法では色調、尿比重、pH、蛋白、糖、潜血(赤血球・ヘモグロビン)、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン体、白血球の有無を判定します。
膀胱炎などで尿中に細菌が増えたり、塩類(ミネラルなど)が出たりすると尿が濁ります。血液が混ざったり、栄養ドリンクを飲んだりすると尿の色が変化します。
pHは結石の治療や予防の指標になり、蛋白は腎臓や尿路の異常、糖は糖尿病、潜血は腎炎や結石、膀胱がんなどで陽性になります。ビリルビンやウロビリノーゲンは正常でもわずかに出ます。
結石の種類で主なものはシュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、尿酸結石などです。尿中のカルシウム濃度が高くなり、尿が酸性に近づくとカルシウム結石ができやすくなります。血液検査で尿酸値が高い方は尿酸結石ができやすいと言われています。
正しい検尿の方法
来院時に病院のトイレで採取します。検尿カップに出始めの尿と最後の尿は捨てて「中間尿」といわれる清潔な尿を採取します。出始めの尿は、尿道以外からの細菌や分泌物などが混入しやすく検査に影響を与えることがあるからです。採取量は25ml程度で構いません。「今トイレに行ってきたところ!」と尿の採取が難しいときは、しばらく時間を空けてからで構いませんが、早く尿が出るようにとお茶やジュースを飲むのは検査結果に影響が出るため、水分を摂るときは水が望ましいです。
〈検尿時に控えること〉
・ビタミン剤や栄養ドリンク、風邪薬の摂取
・飲酒
・前日の激しい運動
・生理中(血液が混入しやすいため、スタッフにお知らせください)