歯の健康を保つコツ

糖尿病の合併症としてもう一つ「歯周病」が挙げられています。糖尿病になると、細菌に対する抵抗力が弱まり、傷が治りにくくなります。健康なときなら修復できた歯茎の炎症も、抵抗力の低下で回復が難しくなってしまい、歯周病にかかりやすくなります。口腔ケアを積極的に行いましょう。
歯科衛生士 中村有里代


“歯周病”とは


細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯茎や歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
≪症状チェック項目≫
□ 朝起きた時に口の中がネバネバする
□ 口臭が気になる
□ 食べ物が挟まりやすくなった
□ 歯磨きの時に出血する
□ 歯茎が赤く腫れている
□ 歯がグラグラする
□ 固いものが噛みにくい
□ 歯が長くなったような気がする

糖尿病と歯周病の関係性

歯周病は糖尿病の合併症のひとつと言われています。健康な人に比べて唾液の分泌量が低下し、プラークの付着や歯周病菌の増殖がしやすい状態です。歯周病が進行すると歯を失うリスクが増え、歯を失うと柔らかい食べ物を好むようになり、栄養バランスが悪化し、血糖値にも悪影響を及ぼします。歯周病の治療をきちんと行うことで血糖コントロールの指標となるHbA1cに改善がみられることから、糖尿病と歯周病との間には双方的な関連があると言われています。

すぐに実践できる口腔ケア

≪歯ブラシを選ぶポイント≫
・毛の固さは普通~やわらかめを選びましょう
・形はシンプルなものを選びましょう
・ブラシの部分は上の前歯2本分くらいの小さめの歯ブラシを選びましょう
・歯ブラシの毛先が広がったら新しいものに交換しましょう

 ≪歯磨きのポイント≫
・歯ブラシの毛先を歯と歯茎の間にあてましょう
・軽い力で動かしましょう
・小刻みに動かし、歯を1~2本ずつ磨きましょう
・歯と歯の間は歯ブラシの毛先は届きません。フロスや歯間ブラシを使いましょう
食べたら磨くが基本です。特に就寝中はお口の細菌が増えやすくなります。寝る前は必ず丁寧に磨きましょう。お口の健康は身体の健康につながります。かかりつけ歯科を持ち、定期検診と専門的なケアを受けましょう。